お別れ登山in石鎚山東陵バリエーション

【報告者】りりぃ
【日 時】2017年10月1日(日)
【参加者】キーボウ、ゼルプス、ありきち、かなちん、りりぃ

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【秋の装いの天狗岳】

≪コースタイム≫
土小屋登山口(7:00)~ベンチ3(東陵分岐)(8:00/9:05)~天狗岩(10:40)~石鎚山頂(10:30/11:30)~2の鎖場(11:58)~東陵分岐(11:50)~土小屋登山口(13:20)
≪ プロローグ ≫
  一身上の都合により熊本を離れ、故郷の茨城へ帰ることとなった私には、壮大な計画があった。6月に新車を購入したこともあり、山々を登りながら帰郷しようというものだ。


時期的にも秋の紅葉真っ盛りのベストシーズン♪まずは石鎚山に行って、それから北アルプスでしょ、それに戸隠山は絶対外せないよね(^^♪などと考えただけで、もうワクワクが止まらない。しかし、地理にも疎ければ、方向音痴は凄まじい。とてもじゃないが、単独行なんて危険すぎてアウトだ。キーボウ会長に相談してみる。キーボウさんとしても半月近く自宅を空けることになるし、いろいろ調整が大変であったろうに快く同行してくださることとなった。返事をいただいたときは、キーボウさんのお顔が仏様のようにみえて、思わず合掌してしまった。
 行きたいところその1として、まず私が挙げたのが「石鎚山の鎖を登る」であったが、キーボウさんから東陵バリエーションの提案があった。下山後の移動を考えるとこちらの方が土小屋登山口から登るので、距離が短いとのこと。私の念願の鎖も下山時に使えるというので、それで計画を進めていただく。しかし、浮かれすぎて日向神で行われた9/9の送別クライミング中に左足首をひどく捻挫するというおバカちゃんぶりをいかんなく発揮し、お医者さんにも「その足で山登りは無理!」とダメ出しされる不安要素大の縦断計画となった。
福岡からゼルプスさん、熊本からありきちさんとかなちんが参加してくださった。
≪ 報 告 ≫
 昨夜お世話になった「しらさ避難小屋」を4時に出る。今は営業していない「しらさ山荘」前の林道路肩に駐車しておいたので、土小屋まで所要時間20分。同宿した東京の山岳会「アルペンローゼ」の4人の方々は、歩いて行かれるということであった。荷物がなければ女性だけでも乗せていってあげたいところであった。暁の空には星がまだ煌々と輝いており、眩いばかりに美しかった。あずま屋で熱いコーヒーとパンの朝食をとっていると、東雲から朝ぼらけになるとともに、石鎚山が神々しく浮かび上がってきた。
 ゼルプスさん、ありきちさん、かなちんは石鎚スカイラインゲートオープンが7時のため7:30頃しか到着しない。腰痛のあるキーボウさんと左足に爆弾を抱えているりりぃ組は、6:30に皆より先に出発、東陵分岐でもあるベンチ3の前で合流することとした。

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 登山道はよく整備されており、とても歩きやすい。途中で修験者の恰好をした一行とすれ違う。中には女性の姿もあり、真っ白な装束に身を包みすこぶるカッコいい。額に巻いた○石マークの手ぬぐいも一般に販売している白地ではなく、藍染めのようであった。(後で知ったが、山行日は「おついたち」であり、山頂のお社でも行事が執り行われていた。)
 およそ1時間で東陵との分岐点であるベンチ3に到着。下調べ通り丸太ベンチの左側に明瞭な踏み跡を確認。気合を入れるべく、以前購入した○石マークの手ぬぐいでヘルメットにハチマキをし、キーボウさんと写真を取り合ったりしながらまったりと3人を待つ。そうこうしているうちにかなちん、ありきち組が合流。ありきちさんは、かなちん手作りの「りりぃ ありがとう」たすきを掛けさせられていた。二人の思いやりあふれる心遣いに感激する。素敵なサプライスは、いつも嬉しいものだとしみじみと思った。やがてゼルプスさんも到着し、ベンチの裏手から東陵に向かう。結構な急登である。まさしくバリエーションハイク。木の根っこや岩をつかんで這い上がる。ハイステップ多用。故障者にはちときつい…。次はクマザサの中を泳ぐようにして漕いで進む。この辺りまで来ると見晴らしは最高。登ってきた稜線が良く見渡せた。木々の紅葉も徐々に深くなってきている。核心の岩場は楽しかったが、捻挫している左足に力が入らないので気が抜けなかった。
 天狗岳を見ると「アルペンローゼ」の女の子たちがはしゃぎながら可愛らしいポーズをとって記念写真を撮っているのが見えた(今後のポージングの参考にしなきゃ)。思いっきり手を振るとカメラマンの方が気づいてくれて皆で手を振り返してくれたのは、とっても嬉しかった♡

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【ベンチ3の東陵との分岐地点】
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【クマザサのルンゼ】
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【痛し、楽しの岩場】

 稜線を歩いて天狗岳に到着。石鎚山(過去2回は冬期)3度目にしてやっと天狗岳に来ることができたことは素直に嬉しかった。感慨に浸っていると、誰かが切り立っている北壁をマルチピッチしている登っているクライマーを発見!!!可笑しかったのは、皆さん揃いもそろって天狗岳に登頂した時よりうんとテンションが上がっていたこと( *´艸`) 
本当にあそ望山岳会って、ロッククライミングが好きな人が多い会だなと改めて思った。

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石鎚山頂は、修験装束の方をはじめ、赤ちゃんからおじいちゃんおばあちゃん、外国の方ととにかくバラエティーに富んでおり、物凄い人出であった。昼食を食べるとき、全国道の駅ベスト10入りの「道の駅 阿蘇」で購入してきためっちゃ大きなブドウをザックから取り出して、私からのサプライズ返し♪
袖すりあうも多生の縁と「アルペンローゼ」の人たちにもおすそ分けしたら、「山でブドウが食べられるなんて♪」と、とても喜んでいただけた。山での果物は格別だものね。

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【藤稔(ふじみのり) 美味であった】
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【あざとカッコいいポーズをとるかなちん】

 昼食後、頂上お社で山旅の安全祈願を念入りに行った。塩をいただいたので、お守りとしてザックに忍ばせておくこととする。最後に全員で○石ハチマキをして記念写真をパチリ。
下山開始。さて、ここからが私のメインイベントな「石鎚山の鎖」なのだが、おしゃべりしていたら一般登山道を下ってしまって残念ながら3の鎖は触ることができなかった。ガ―――ン。頭の中で除夜の鐘が鳴り響く。ショックのあまりブウたれる私。ありきちさんが、「2の鎖場があるから、まだ大丈夫。」とナイスフォローしてくれる。彼も私より1週間早かったものの足を捻挫しており、完治はしていない足でサッと鎖場の偵察にも行ってくれた。そんなわけで、私は念願の「石鎚山の鎖」を触ることができた。満足この上なし。すれ違う人からは口々に「鎖を下りる人は見たことがない」と多少あきれられてしまったが…。確かに下りは輪っかの距離が微妙に足に合わないため、難しく感じられるかもしれない。
山腹の鳥居のところで、白いレース仕様の修験装束の女性が法螺貝を吹いていた。おついたちの日に来たので、いろいろと珍しいことに遭遇できた。天気も持ってくれ、紅葉もしていたしで本当にラッキーな山行であった。
土小屋で3人と別れるときは、悲しく切なかった…。そして、必ず年に一度は熊本に行こうと固く心に誓った。
 素敵な思い出をありがとうございました。

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