【報告者】りりぃ
【日 時】2010年6月5日(土)~6日(日)
【参加者】キーボウ 、タツ、りりぃ
【行 程】5日 上畑コース
九折登山口(10:50)~芥神の滝(12:00)~九折小屋(14:10)
6日 三ツ尾コース
九折小屋(7:00)~センゲン(7:26)~後傾(8:00)~本傾頂上(8:20)~三ツ坊主(10:00)~三ツ尾(10:50)~観音滝(12:00)~三ツ尾・九折越分岐(12:50)
【山行名】6月会山行 傾山(山小屋泊)
6月の会山行の担当としては、梅雨入り前に大役を済ませておきたかった。
一日ではきついバリエーションハイクの『傾山ぐるっと一周』も九折小屋1泊を入れることによって参加しやすくしたつもりであったが、人気薄ッ(>_<)
櫛の歯が欠けるように1人、2人… 結局キーボウさん、タっちゃん、りりぃの3人であった。
初日は、九折小屋までしか行かないので7:00にキーボウ会長にタっちゃん、りりぃとピックアップしてもらい竹田経由で九折登山口へ向けて出発。途中、竹田のスーパーでのんびりゆっくりと山グルメの準備をして(100均で保冷バックも購入♪)九折の駐車場に到着。すでに数台の車が止めてあった。
会長とタっちゃんは40Lのザックであったが、寒がりのりりぃは真冬用のシュラフ(1kg)を持ってきたので60Lのザックだ。さすがに会長とタっちゃんに諌められ、未練を残しながらモンベルの#4とシュラフカバー、インナーダウンで眠ることにした。それでも不安感は残るのでホッカイロは絶対に外せない(^_^;)
食材と保冷剤代わりの凍らせたポカリのボトル数本。それにビールとソーダとサイダーとウイスキー♪。重い。とても重い。
これは、会長とタっちゃんが持ってくれることに。
それゆえ、私のグレゴリーには自分の装備の他に会長のシュラフやマット、昼食用のカップラーメン等嵩張るけどまぁ軽いものが入ったが、ひとつ1つは軽くても60Lザックにいっぱい入れたらやっぱりずっしりと重かった。
お天気は申し分のない快晴。重いザックを背負っているせいか、足取りは重いが心はウキウキ♪ 九折登山口(384m) 10:50
青く綺麗に塗られた鉄鋼張りの橋を渡って指道標に導かれ右手の山道に入る。山手本谷のサラサラとした水音と鶯の鳴き声をBGMに聞きながらそこそこの登りを行く。
しばらくすると、水音が激しくなり芥神の滝がもうすぐあることを知らせてくれる。
滝のマイナスイオンが恋しくて心なしか足取りが軽くなる。樹間からしか見ることはできなんだが、やはり美しい。でも、なぜ芥なんだろう?
歩き始めて1時間半、急斜面なうえ足場も悪く木の根っこにつかまったりしながらへとへとになって辿りついたところには大きな山ツツジが新緑の衣をまとい艶やかな姿で私たちを待っていてくれていた。まさに息をのむ美しさ。疲れも吹き飛ぶ。
12:40 途中の尾根道でゆっくりと昼食をとる。会長はとても大きな三角稲荷。タっちゃんとりりぃはカップ麺だ。ありきたりのものも山で食べるとなんでこんなに美味しいのだろう。特にパインは最高だった。
(^^♪
少し体を休ませただけでじっくりとかいた汗が山の澄んだ空気にふれスーッとひいていく。快適そのもの。天然のエアコンだ。
おや?タっちゃんが何か見つけたようだ。小さな蜂らしい。巣穴を作っているみたい。さすがは愛蜂家、即座に蜂の名前が出てくる。
小屋泊りの良さはさほど時間を気にしなくてもいいこと、のんびりと景色を楽しみながら素晴らしいエメラルド色に輝く新緑の海を登っていくと、ところどころにサプライズが待ち構えている。ツツジの花が地面に落ちてまるで赤い絨毯だ。綺麗。
朝から何度この言葉を発したことだろう。
美しいものに触れるたび自分の心がどんどん純化していくのがわかる。汗と共に心の澱が排出されているのかもしれない。
最近読んだ本にこんな一節があり、苦笑いしながらも大きくうなずいてしまった。
『私は山に登りに行く。そこでなにか元気になって疲れ果てて帰ってくる。実にサギである。』と。
まさしくそのとおりだと思う。
稜線を登りつめるとそこは九折越の原っぱであった。西へ50mほどで山小屋だ♪(1262m)
まずは冷え冷えのビールで乾杯。この瞬間のためにボッカしてくれた会長、タっちゃんありがとうございました。美味しかったねー(*^^)v
山小屋のすぐ近くまで鹿が来る。人間を恐れる様子は全く見られない。まだ斑点が消えていないバンビちゃんだからか?
予定していた笠松山はパスして水汲みや薪拾いをした後は、しばしの休息タイム。
5時からは山小屋の前庭で焚火を囲んで楽しい時間の始まりだ。
目の前に傾山の双耳峰が夕陽を浴びて堂々とそびえている。雰囲気は最高(^^♪
メニューは会長が「豚キムチ焼ビーフン」を作ってくれた。お野菜もたっぷりと入ってメチャ美味しい。これだけでおなかいっぱいになる。他には、ボイルしたウインナーや焼餃子、カマンベールチーズ、オレンジなど。くじで当たったサンマの缶詰もあった。
ビールとハイボールと焚火でほろ酔い気分となったキーボウさんがハーモニカを吹く。「いつかある日」「エーデルワイス」「岳人の歌」などがレパートリーらしい。
ゆっくりと贅沢な時間は流れ、いつしか空には満天の星が煌めいていた。
6日は朝5時起床。ハム入りトマトソーメン、目玉焼き、コーヒーの朝食をとり、お世話になった山小屋の掃除をして出発。
昨日よりはるかにザックが軽い♪ 緩やかな上り下りをしながらセンゲンに着く。傾山の二つの峰がすぐそこにそそり立っている。
杉ケ越分岐あたりから急な登りとなり、岩場も出てくる。展望の良い後傾到着。
鞍部に出てちょっとまた登ると本傾頂上 (1602m)
どうせならと突端まで行ってみる。タっちゃんが真っ先に岩に飛び移り立って、こちらに満足げな微笑みを投げかける。あんな極小な面積の岩の上に立つなんて全くどうかしている!「見てる方が怖いから立ったらダメ!」と怒ったものの、実際自分で岩に行ってみるとなんてことない気がして、気がつけば立って下を覗き込んでいた。タっちゃんから「りりぃさん、立ってるーーーーーっ!!」とお叱りを受けてしまった。ごめんね
(*≧m≦*)タっちゃん。
本傾からこれからの行き先を確認すると「さぁ、ここからが傾山の核心」とばかりに岩峰ルートの二ツ坊主、三ツ坊主(1319m)がおいでおいでと手招きしているようだ。嫌だなぁ…
あんなにアップダウンしなきゃならないの…(・_・;)
なんて思っていたが、ザックの重さで振られたら危険な場所もあったけど、岩場だったから楽しかった♪ でも、登りなら相当きついかもね^_^;
おもしろかったのは、キーボウさんもタっちゃんも根っからのクライマーだから岩壁が出てくるたびに登れそうか?否か?としきりに会話していたこと。アプローチが半端じゃないけどね。
水場ルートと合流し三ツ尾(1160m)までは気持ちの良い原生林の尾根道を行く。しばらくすると遠くからチェーンソーの音が聞こえてきて、あたりは檜の植林地に変わっていく。
林道を横切り指道標のある観音滝の方へ。滝の上部をトラバースし10分も歩くと修験者がかつて行をしていたという傾山の名瀑、観音滝(落差75m)を見ることができる。下から観るのは沢登りの時の楽しみにとっておいて先を急ぐことにする。
ほど良くおなかも空いてきたので登山口まで下りきる前に昼食タイム。どこで食べようか?となった時「ケイセイ谷の石の上!」と意見が一致。裸足になり沢の水に足を浸すと冷たすぎて10秒も水の中に入れていられない。でも、歩き疲れて火照った足には気持ち良かった。
おなかも満足し、10分も歩けば駐車場だ。
天気、山の景色、食事、お酒、焚火、星空どれをとっても大満足の花丸山行でした。
キーボウさん、タっちゃん お疲れ様でした。
また、秋になったら美しく紅葉した傾山に来ようね♪
【報告者・キーボウ】
今回は久しぶりの山歩き。資料を調べてみたら、傾山には2000年のアケボノツツジの季節、山開きの日に杉ヶ越から登っていた。10年ぶりに山頂に向う。
メンバーはタツ君とりりぃと僕という初めての組み合わせかな?九折越からのコースは下降には使ったことはあるけど、登りとしては始めて。爽快に新緑の中を登ることが出来た。その昔、登山道から望めるアクタ神の滝を初めて見たときは、堰堤から流れる人工の滝だと思った。それほど、何処をとっても直線で構成された形をしている。
昼食を取った標高800m付近の登山道のはずれからセンゲン谷に大きな滝が木の間越に見える。滝の全容は見えなかったけどこれが40mのセンゲン大滝のようだ。7年前に沢登りで登った時は左側のブッシュ帯からこの滝を越えたことが思い出される。林道を横切る付近ではところどころに散り行く山ツツジの絨毯が見られた。
その後、一気に標高を稼いで九折越に飛び出す。鉱山跡の登山口から900mの高度差は結構きつい。荷物も重かったからかな。
九折小屋は無人ではあるが丁寧に使われているようだ。ただ、ペットボトルの空きボトルが大量に放置されているのには閉口。周辺には数十年前の瓶や缶が半分埋められた状態で散乱している。時代を感じさせる光景だ。
水場は南側の緩やかな傾斜の登山道を10分ばかり下ったところにある。だが水量が少なくなってきているようだ。取水のために固定されたパイプがいくつかあるが、奥の1本からきれいな水流を得ることが出来た。貴重な水資源だから大事にしなくては。
小屋の前には焚き火の跡がある。もちろん我々も焚き火をすることにした。沢登り以外では初の体験だ。一般の縦走路で焚き火が出来るところはそうめったにない。
快適な一夜を過ごし、翌朝、傾山に向った。傾山南壁を眺めてどこにマルチのルートがあるのか興味深い。でも、ここまで来てから壁に取り付くのは大変。今までは登ってみたい衝動もあったが、そこまでしなくても良いかな。
山頂で思い切り展望を楽しんだ後は三つ坊主経由で三つ尾に向った。このコースは逆コースの方が良いようだ。2ヶ所のクライムダウンがあるがクライマーにとっては易しい。でも、アップダウンが多く、通過には結構な時間がかかってしまった。でも、展望が良いのでこのコースはお勧め。数組の登山者とすれ違った。
山頂から登山口までの1000m以上の下降は足に来る。特に今回はアプローチシューズなので膝への負担が大きかった。
今回は、荷物が多かったのでペースもゆっくり目でちょうど良いスケジュールで回ることが出来た。天気はほぼ快晴、気温も暑からず寒からず、こんな形態の山行が初めてのタツ君にとっては最高の山行になったのではないでしょうか?
今回はメンバーが少なかったことが唯一の心残りでした。企画してくれたりりぃありがとう!おかげで楽しい想い出を作ることが出来ました。
【報告者・タツ】
どこまでも続く高い空と、新緑の魔力。
今回の傾山山行は最高のロケーションでスタートした。
山行は九折越小屋で一泊してののんびり山行。
傾山はキツイ。と聞いていたが、ゆっくりできるだろう。そう思っていたが、ちょっと油断していた。
行動用の水も合わせると、ザックの重さの半分は水分のようだ。
原因は500mlのビールが4本鎮座していることが大きい。
いや、ほとんどそれが原因だ。
出発から急登が続き、飲みながら登りたい衝動にかられる。
しかし、登山のあとのビールの旨さを想像し、そこはぐっと堪える。
ところどころにつつじが咲いていて、赤色の絨毯のように綺麗な場面に遭遇する。
小屋につくと、焚き火スペースがあり、キャンプファイヤーをして夜を待つ。
たき火とビールは最高!
小屋の周りには鹿が生息していて、時々こちらの様子を伺っている。
手がとどくくらいまで近づくこともあった。
翌朝は5時から支度をして、後ろ傾き、前傾きとそれぞれ登る。
前日の苦行が嘘のよう。
山頂まで、どんどん標高が上がっていく。
山頂は絶景で、切り立った崖のようになっている。
そこから覗き込むと谷底へ引き込まれそうだった。
三つ坊主経由で三つ尾に抜けるコースは難所があり楽しめた。
岩をくだり、木々の根をわたり、観音滝の上をトラバースする。
山頂から一気に下るため、足にかなりきた。
途中からりりぃさんのステッキをかりたが、これが非常に具合がよく、ダブルステッキの威力を感じた。
下りでは、足の疲労感がぜんぜん違う。
下山間際で川べりでお昼にし、冷たい川の水に足をつっこみ楽しむ。
10秒とつけてられないほどのものすごい冷たさ。
沢はまだ早い。
帰りは温泉に浸かり、ゆっくりしました。
りりぃさん、企画お疲れ様でした。とても楽しかったです!